猥雑に浸かる
伊藤ガビン
編集者/女子美術大学短期大学部教授
江戸のエンターテインメント=江戸期の湯屋を再現し、
適当で、だらしなくて、面白い、日本人基質の美しさを明らかにする
日本人は長い間、適当で、いい加減で、だらしがない者たちだったのではないだろうか。こうした部分こそ、日本の美しいところだ。“勤勉で時間に厳しい日本人”という、最近かたちづくられたイメージとは異なる、かつての日本人の姿を浮き上がらせるべく、江戸期の湯屋を再現するだけでなく、現代のテクノロジーと解釈によって拡張した没入型エンタテインメント装置を提案する。
京伝戯作 著,鶴屋喜右衛門版「賢愚湊銭湯新話」3巻/享和2(1802)序
所蔵:国立国会図書館デジタルコレクション