募集期間:2023年10月15日 - 2023年10月30日
10.30(月) 18:00–20:30(開場17:30)
エトワール海渡リビング館(千代田区東神田1-15-15)
一般 ¥1,500 学生 ¥1,000
お申込方法:下記ボタンからお申込みください
シンポジウム概要
未曾有の大災害となった関東大震災から100年が経ちます。震度7を超えると言われる大地震のメカニズム、地震によって引き起こされた火災、災害がきっかけとなり、流言飛語が蔓延し、朝鮮人、中国人、日本人活動家などが排斥や虐殺されるという社会不安の状況を捉えなおし、同時代に世界で起こっていたロシアアヴァンギャルド、キュビズム、ロシアフォルマリズムなどの影響を受けていた当時の芸術家たちは、このような状況に対して、どのように行動したのでしょうか。それは今、どのようなメッセージを私たちに伝えているのでしょうか。
「つくることは生きること」は、東日本大震災後に、中村政人他、アーティストと災害地域の住民たちによる活動を記録した展覧会シリーズです。節目となる今年、改めて「災害と芸術」について考える場をつくります。社会学者吉見俊哉を招き、地震災害、社会、美術史などの専門家と、その当時、何が起こったのかを振り返り、そして、阪神・淡路大震災や東日本大震災などを経験してきた、今を生きるアーティストたちを交え、これからも発生する災害が生み出す人心や社会不安に対して、私たち、そして芸術の姿勢や行動について考えます。
登壇者
イントロダクション:災害とアート — 社会とのつながり |
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| 吉見俊哉 東京文化資源会議会長、國學院大学観光まちづくり学部教授。社会学者として、上演論的アプローチから都市論、メディア論を展開、日本のカルチュラル・スタディーズで中心的な役割を果たしてきた。長く東京大学で教え、大学院情報学環長、大学総合研究センター長、教育企画室長、副学長などを歴任。現在、デジタルアーカイブ学会長も務める。主な著書に『都市のドラマトゥルギー』(河出文庫)、『博覧会の政治学』(講談社学術文庫)、『万博と戦後日本』(講談社学術文庫)、『親米と反米』(岩波新書)、『アメリカの越え方』(弘文堂)、『視覚都市の地政学』(岩波書店)、『五輪と戦後』(河出書房新社)、『東京裏返し』(集英社新書)、『東京復興ならず』(中公新書)、『敗者としての東京』(筑摩書房)などがある。 |
第一部:都市・建築の「非常時の歴史」— 災害・復興・防災 |
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| 村尾 修 1965年横浜市出身。横浜国立大学大学院修了。東京大学生産技術研究所助手、筑波大学システム情報系准教授を経て、2013年から現職。災害に対応した都市・建築空間の体系化を目指し、国内外における災害後の都市復興や都市防災計画研究に携わっている。主な著書に「建築・空間・災害(2013)」「地域と都市の防災(2016)」などがある。2014年日本建築学会賞(論文)、2020年日本建築学会教育賞(教育貢献)を受賞。現在、地域安全学会会長、NPO法人地域防災推進機構理事長。 |
| 五十殿利治 社会・美術史研究者。1951年東京生まれ。1975年早稲田大学第一文学部卒業。1978年北海道立近代美術館学芸員。1985年筑波大学芸術学系講師。専門は近代美術史。1995年『大正期新興美術運動の研究』(スカイドア)により毎日出版文化賞奨励賞。2017年筑波大学を定年退職、同名誉教授。同年『非常時のモダニズム』(東京大学出版会)により芸術選奨文部科学大臣賞。2018年-22年独立行政法人国立美術館理事。2022年『久米民十郎 モダニズムの岐路に立つ「霊媒派」』(せりか書房)。 |
第二部:写真家とアーティストが対峙した、それぞれの災害 |
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©buerofuerkunstdokumentation | 畠山直哉 写真家。1958年、岩手県陸前高田市生まれ。東京を拠点に、自然・都市・写真のかかわり合いに主眼をおいた作品を制作。2001年、ヴェネツィア・ビエンナーレに日本代表の一人として出品。2012年、ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展日本館に出品(金獅子賞)。2001年、第42回毎日芸術賞。2012年、芸術選奨文部科学大臣賞。2023年東京ビエンナーレでは「陸前高田2011−2023」を出品 |
| 中村政人 アーティスト 東京ビエンナーレ総合ディレクター。1963年、秋田県大館市生まれ。アーティスト。東京藝術大学絵画科教授。「アート×コミュニティ×産業」の新たな繋がりを生み出すアートプロジェクトを進める社会派アーティスト。2001年第49回ヴェネツィア・ビエンナーレ、日本館に出品。マクドナルド社のCIを使ったインスタレーション作品が世界的注目を集める。1993年「THE GINBURART」(銀座)1994年の「新宿少年アート」(歌舞伎町)でのゲリラ型ストリートアート展。1997年からアーティストイニシアティブ コマンドNを主宰。秋葉原電気街を舞台に行なわれた国際ビデオアート展「秋葉原TV」(1999–2000)「ヒミング」(富山県氷見市)、「ゼロダテ」(秋田県大館市)など、地域コミュニティの新しい場をつくり出すアートプロジェクトを多数展開。アーティストイニシアティブ コマンドN(1997–)とアーツ千代田3331(2010–)の活動において10カ所の拠点、740本のアートプロジェクト、3100本のイベントをつくり、2,000名のアーティストと協働、延べ180名のコアスタッフ、約1350名のスタッフ等と協働する。東京ビエンナーレ2020/2021に続き、東京ビエンナーレ2023で共同総合ディレクターを務める。 |
第三部:つくることが生きること |
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東京ビエンナーレ2023プロジェクトディレクターの小池一子も加わり、登壇者陣によるディスカッションを行います。 |
| 小池一子 クリエイティブ・ディレクター。1980年「無印良品」創設に携わり、以来アドバイザリーボードを務める。1983年にオルタナティブ・スペース「佐賀町エキジビット・スペース」を創設・主宰し、多くの現代美術家を国内外に紹介。令和4年度文化功労者。 |