おしぼりリンケージ|海外参加アーティスト募集!
募集期間:2023年6月5日 - 2023年6月25日
※この募集は締め切りました。ご応募いただいた皆さま、誠にありがとうございました。アーティスト選出結果については決まり次第、このウェブサイトで発表いたします。
このたび東京ビエンナーレ2023では、開催企画のひとつ「おしぼりリンケージ」のために、「おしぼり」に刺繍する原画を制作してくれるアーティストを海外から公募します。皆様のご応募をお待ちしております。
日本では「おしぼり」を使ったことがない人は、ほとんどいないでしょう。飲食店で来客が手を拭くために供される、適度に湿らせた小さなタオル。その始まりは、一説には平安時代とも、江戸時代とも言われます。おしぼりは控えめな存在ながら、客人の緊張をほぐし、疲れを癒し、元気にする力を宿しています。伝統的な手指衛生ツールであると同時に、夏には涼しさを、冬には温もりを届ける、日本のおもてなしの精神が詰まった存在ともいえます。しかしその存在は、海外ではまだあまり知られていません。
「おしぼりリンケージ」はこの「おしぼり」を小さなキャンバスに見立て、首都・東京で国境を超えた多様な表現を身近に体験する試みです。アーティストが描いた原画をもとに刺繍を施したおしぼり作品群は、レストラン等で無地のおしぼりに混ざって提供されます。来店者たちはこれらの小さなアートとの偶然の出会いを楽しむでしょう。おしぼりは環境に優しいリユースアイテムでもあるため、作品群は期間中に人々との出会いを繰り返し、最終的に特設会場で一堂に展示されます。
「リンケージ」とは東京ビエンナーレ2023のテーマであり、かつそこで展開されるプロジェクトの総称でもあります。「おしぼりリンケージ」では、世界各地のアーティストの表現を東京とつなぎ、また古来、日本で育まれてきた食文化と芸術のつながりの新たな形を探ります。さらにおしぼりをアート作品化することで注目を促し、日本の文化であるおしぼりの「おもてなし」の精神を世界に発信し、国際的な公用語「OSHIBORI」として定着させることも目指すプロジェクトです。
ステートメント
日本に古くから根付いているおしぼり文化には、客人の身体を清め、疲れを癒してほしいと願う、おもてなしの心が息づいています。私たちは香りや温度、抗ウイルス機能といった、TPOに合わせた付加価値をつけることで、おしぼりの価値を進化させてきました。そして今回、おしぼりに“アート”という全く新しい価値が加わります。どんな化学変化が起こるのか、今から興奮しています。
おしぼりリンケージは私たちの長年の夢である、日本のおしぼりが世界への扉を開く第一歩となることを確信しています。素敵な作品に出会うことを楽しみにしています。皆様のご応募をお待ちしています。
「OSHIBORIを世界の公用語にするプロジェクト」実行委員会
(委員長:藤波克之[FSX株式会社 代表取締役社長])
15名
中村政人(なかむら・まさと)
アーティスト。東京藝術大学絵画科教授。東京ビエンナーレ2023総合ディレクター
西原 珉(にしはら・みん)
キュレーション。心理療法士。秋田公立美術大学教授。東京ビエンナーレ2023総合ディレクター
5万円(日本円)
※加えて、応募原画を刺繍したおしぼり現物(2枚)を進呈。
※展示作品の記録写真データをメールでの送付。
※東京ビエンナーレの公式カタログ・ウェブサイトへの掲載、カタログ(1冊)の進呈。
夏会期:2023年8月〜9月
会場:都内の提携店舗群にて来店者へのおしぼりとして提供。
会期中、各おしぼりは来店者の使用後、回収・洗浄を経て繰り返し提供されます。
提携店舗は千代田区・中央区・文京区・台東区の4区にまたがるエリアで営業する、おしぼりを納品している加盟飲食店約20軒(2023年5月現在)
秋会期:2023年9月23日(土)〜11月5日(日)
会場:特設会場(都内のギャラリーなど[調整中])での展示。
夏会期に人々をもてなしたおしぼり作品群の現物と、同じ原画から作成した未使用のおしぼり作品を並べて展示。
以下の書類を応募フォームからご提出ください。
刺繍でできる表現は、以下のサンプルを参考にしてください。
下記リンク先の応募フォームより、(1)応募者の基本情報の入力、(2)原画の画像データ、(3)作家ポートフォリオをアップロードしてご応募ください。
2023年6月5日(月)〜6月25日(日)23:59(日本時間)
選考の結果は、6月30日までに東京ビエンナーレのウェブサイトで公表します。また、選考を通過したアーティストには個別でご連絡いたします。
6月5日(月)〜25日(日) | 公募受付 |
7月7日(金) | 参加アーティストの決定、通知 |
7月21日(金) | 刺繍した画像のメール送付、仕上がりの確認 |
8月3日(木) | 刺繍したおしぼりの完成 |
8月31日(木) | 謝金のお支払い |
8月7日(月)〜11月5日(日) | 夏会期:提携店舗でのおしぼりのご提供 |
9月23日(土)〜11月5日(日) | 秋会期:特設会場でのおしぼりの展示 |
11月6日(月)〜11月30日(木) | 刺繍したおしぼり、公式カタログのご送付 |
oshibori@tokyobiennale.jp
おしぼりは手を拭く為の「濡れタオル」で、主に飲食店などでお客様に提供される、日本ならではのおもてなし精神を象徴するアイテムの一つです。 おしぼりには、手を拭いて汚れを落とすだけでなく、リラックスできる心理的な効果があります。特に暑い日の冷たいおしぼりや、寒い日の温かいおしぼりには、使う人の緊張をほぐし、疲れを癒す力があります。おしぼりは日本ならではの衛生とホスピタリティを同時に叶える、おもてなしのツールとなっています。おしぼりは「いらっしゃいませ」の最初の時に提供されることが多く、お客様とのファーストコンタクトを演出する大切なアイテムといえます。
日本発祥と言われるおしぼりの前身は、平安時代に公家衆が客人を家に招く際に、「濡れた布」を提供したことに始まるとされています。江戸時代には旅籠屋の玄関先で、旅人は旅籠が用意した桶に手ぬぐいを浸して絞り、汚れた手足をぬぐいました。それが、今日のおしぼりの始まりと云われています(「しぼる」動作が「おしぼり」の語源となった)。客人に対して、ただ宿を提供するだけでなく、疲れを癒し、気持ちよく過ごしてもらいたい、心地よさも提供したいというホスピタリティ精神の表れとして、おしぼりは誕生しました。
以後、客人へのもてなしの心遣いが、おしぼり文化として定着してゆきます。戦争の激化によりおしぼり文化は一旦薄れますが、戦後の発展の中で、日本人ならではのおもてなし文化として、おしぼりの習慣が復活し、現在に至っているのです。