EXHIBITIONS
インスタレーション
彫刻・立体
会場
神田・秋葉原エリア
角地梱包
千代田区神田須田町1-22
日程
11:30–16:30 月火水休
*11月3日(月・祝)と24日(月・振替休日)は開場
無料
参考図版:《Noli Me Tangere》2021年
秋山珠里は蜜蝋を主材料とし、その歴史・文化・哲学的背景にふれながら、絵画と彫刻を横断する作品を制作しています。今回は、モルタル装飾が印象的な看板建築「角地梱包」にて、場の歴史に呼応する展示に挑みます。
関東大震災後の東京に現れたバラック建築に、当時の芸術家・村山知義はアヴァンギャルド装飾という芸術の場を見いだしました。また復興期の木造建築には、建物正面を銅板、モルタル、タイルなどの不燃材料で覆い、多様に装飾したものが現れました。後年、建築史家の藤森照信が「看板建築」と名付けたこれらの建物は、バラックのおおらかな装飾性と媒体性を受け継ぐようでもあります。
その後、東京は戦争で再び焼け野原になり、地価高騰を経て、いまや建築物は土地の「うわもの」とされるに至ります。一方で建物内に目を向ければ、日本建築史の中では、芸術は仮設的な屏風や障壁画などから、床の間という「領地」を獲得しています。
「仮設・常設・基礎」。秋山は今回、この流動的または創造的な関係性について、古くから表面性や仮設性の象徴である蜜蝋を用いて表現します。会場は現存する貴重な看板建築であると同時に、かつて梱包業という「出発準備」や「ここにいるがすでに出発している」という曖昧な境界を担ってきた場でもあります。
協力:角地梱包
*秋山珠里は「看板建築プロジェクト」参加作家です。
マップ
東京メトロ・JR「神田駅」4番出口より徒歩2分
東京メトロ「淡路町駅」A1出口より徒歩7分
都営新宿線「小川町駅」A1出口より徒歩7分
東京都出身。中学から大学卒業までを香港、イギリス、アメリカで過ごす。2015年米ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン、ペインティング科をFlorence & Leif賞を受賞して卒業。帰国後、2018年東京芸術大学大学院芸術科グローバルアートプラクティス専攻修了。「勿体」という言葉をコア・テーマに、その哲学的探求をもとにしたペインティングやインスタレーションを制作する。蜜蝋を主素材に用い、その歴史的・文化的・哲学的な背景に遊びながら、さまざまなモチーフをテーマに現れと身体・物質、言語の関係を探求する作品を制作。最近の参加展覧会に「どれほど近くとも遠い現れ」(MORI YU GALLERY、京都、2025)、「光の後始末」(SPROUT CURATION、東京、2025)などがある。
神田・秋葉原エリア
角地梱包