EXHIBITIONS
参考図版:《Sourceless Waters: White. Shadows》2024年
アジアン・アート・ビエンナーレ2024(国立台湾美術館) Courtesy the artists
ハノイを拠点に活動するチュオン・クエ・チーとグエン・フォン・リンは、2021年より共同制作を開始しました。チーは日常の風景や素材に宿るリズムや比率、空間性を繊細に読み解く作品を展開し、リンは映像や彫刻、インスタレーションを通して時間、身体、記憶の層を探ります。
今回は、アジア・アート・ビエンナーレ2024での《Sourceless Waters: White. Shadows.》、釜山ビエンナーレ2024での《Sourceless Waters: The Whip & The Knife》に続く、彼女たちの継続的な共同制作の一環としての作品を展示予定です(詳細近日公開)。
マップ
撮影:Dat Vu & Jay Santiphap
グエン・フオン・リン(1985年生)とチュオン・クエ・チー(1987年生)は、長年にわたり友情と協働を重ねてきたアーティスト。それぞれが異なる実践を通じて、現代における身体性、記憶、そして時間への問いを深めている。
フオン・リンの作品は、フォルムと時間の関係性を静謐に探求し、近年は身体の動作や痕跡を想起させる表現を通して、身体の持つ持続性や回復力への詩的なアプローチを展開している。一方、クエ・チーは、社会的・歴史的・個人的なレイヤーが交錯する中で、日常のスペクタクルやその中に潜む矛盾や謎に光を当てる映像・インスタレーション作品を発表してきた。
両者は2021年に、人生の同期するリズムに呼応するかたちで協働制作を始動。作品同士は対置され、重力や高さ、儚さといった身体的感覚を通じて空間に詩的な緊張をもたらし、観る者の感覚を揺さぶる。彼女たちの関心には、世代を超えて引き継がれる喪失の記憶や、さまざまな社会的文脈における女性の身体の物質性とイメージが含まれている。近年は、2024年の釜山ビエンナーレおよびアジア・アート・ビエンナーレで作品を発表。また2013年から、ハノイを拠点とするアーティスト主導のスペース「Nhà Sàn Collective(ニャー・サン・コレクティブ)」のキュレーション・ボード・メンバーとしても活動している。
助成:独立行政法人国際交流基金