BIENNALE
2025

- インスタレーション
チュオン・クエ・チー/グエン・フォン・リン:BREATHE
EVENTS
シンポジウム
会場
日本橋・馬喰町エリア
エトワール海渡リビング館
千代田区東神田1-15-15
日程
14:00–17:00
500円
グローバル化や情報テクノロジーの変容、そしてアーティストの実践活動の変化によって、国際芸術展のあり方が大きく変わりつつあります。
展覧会や芸術祭は、もはや時間や空間によって区切られたものではなく、時空を超えてシームレスにつながりつつあります。アーティストやキュレーションの協働の実践は、会期中だけではなく、会期が終わった後も会場の外で継続的に続くようになってきています。
今回のシンポジウムは、こうした状況の中で、アーティストやコレクティブ、展覧会や芸術祭の新しいコラボレーションのあり方を議論します。
登壇者
毛利嘉孝 (社会学者、東京藝術大学)
チェ・ビンナ(ヴェネチア・ビエンナーレ2026韓国館キュレーター/ハワイアン・トリエンナーレ2025ディレクター)
マリーア・スヴォンニ(コンストフレームヤンデット・ノルボッテン芸術監督)
メチュ・ラペル(キュレーター、テントハウス・アートコレクティブ )
チュオン・クエ・チー & グエン・フォン・リン(アーティスト、ニャ・サン・コレクティブ)
中村政人(東京ビエンナーレ2025総合プロデューサー)
マップ
JR総武線「馬喰町駅」4番出口より徒歩2分
都営新宿線「馬喰横山駅」A1出口より徒歩6分
関連展示
チュオン・クエ・チー/グエン・フォン・リン:BREATHE
写真プロジェクト「Tokyo Perspective」
テントハウス・アートコレクティブ & オーブンネットワーク:その家は見た目より広い
アーティスト/東京藝術大学美術学部教授
芸術未来研究場 アート×ビジネス領域長
1963年秋田県大館市生まれ。1993年「The Ginburart」(銀座)、1994年の「新宿少年アート」(歌舞伎町)でのゲリラ型ストリートアート展。秋葉原電気街を舞台に行なわれた国際ビデオアート展「秋葉原TV」(1999〜2000)、「ヒミング」(富山県氷見市)(2004〜2016年)、「ゼロダテ」(秋田県大館市)(2007〜2019年)など、地域コミュニティの新しい場をつくり出すアートプロジェクトを多数展開。1997年よりアート活動集団「コマンドN」を主宰。
2010年民設民営の文化施設「アーツ千代田 3331」(東京都千代田区)(2010〜2023年3月閉館)を創設。地域に開かれたアートセンターとして、約13年間運営を行う。2001年第49回ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館に出品。マクドナルド社のCIを使ったインスタレーション作品が世界的注目を集める。2020年より「東京ビエンナーレ」の総合ディレクターを務める。著書に『美術と教育』(1997)、写真集『明るい絶望』(2015)、『新しいページを開け!』(2017)、『アートプロジェクト文化資本論:3331から東京ビエンナーレへ』(2021)。平成22年度芸術選奨受賞。2018年日本建築学会文化賞受賞。
日本橋・馬喰町エリア
エトワール海渡リビング館
Tenthaus Art Collective(テントハウス・アートコレクティブ)は、2009年よりさまざまな形で活動してきた、オスロを拠点とするアーティスト・コレクティブ。その実践はプロセスを重視し、コミュニティとの関わり、共同性、包摂性に焦点を当てたものである。
Tenthausが展開するThe OVEN Network(オーブン・ネットワーク)は、芸術的交流のための越境的なネットワーク。コラボレーションを基盤とし、北欧と東南アジアのコレクティブをつなぎ、共に学び、共に考え、長期的な関わりを育むことを目指している。彼らはアートやデザインを「成果物」としてではなく、「観察」「摩擦」「変容」のためのツールととらえる。
The OVEN Networkはアートプロジェクト、展覧会、リサーチ、レジデンス、ワークショップ、出版、集い、対話の瞬間などを通じて、周囲の状況に応じて形を変えながら展開される。彼らは共通の好奇心を持つ人々を歓迎し、違いを抱える場を共に保ちつつ、新たな前進のあり方を探求する。
メンバー:
イーダ・ウヴァース
身体、精神、社会における「移動性」を探求するムーブメント・アーティスト。パフォーマンスや視覚芸術、サイトスペシフィックな実践を通じて、参加型かつ学際的な作品を創出し、社会構造に問いを投げかけ、集団的な芸術体験へと誘う。@idauvaas
シャフルザード・マレキアン
パフォーマンス、映像、彫刻を横断する学際的なアーティスト。遊びを通じて公共空間や制度における権力、抵抗、ケアを探求。主な展覧会にSACOビエンナーレ(2025)、シンガポール美術館(2024)など。@shahrzad.malekian
Studio150
パット・ラッダパンとピヤコーン・チャイウェラプンデーチによって設立された、バンコクを拠点とするアート、デザイン、出版を横断するスタジオ。グラフィックデザインとキュレーション的視点を融合させ、印刷物から空間介入まで多様な形式で社会的な実践を展開。バンコク・アートブックフェア共同設立者。www.studio150.info
メチュ・ラペル
対話のための多孔質な構造をキュレーションし、アートやケア、そして新たに生まれる共有知を通じてコミュニティをつなげる手法により、様々なプロジェクトを実践している。
神田・秋葉原エリア
海老原商店
撮影:Dat Vu & Jay Santiphap
グエン・フオン・リン(1985年生)とチュオン・クエ・チー(1987年生)は、長年にわたり友情と協働を重ねてきたアーティスト。それぞれが異なる実践を通じて、現代における身体性、記憶、そして時間への問いを深めている。
フオン・リンの作品は、フォルムと時間の関係性を静謐に探求し、近年は身体の動作や痕跡を想起させる表現を通して、身体の持つ持続性や回復力への詩的なアプローチを展開している。一方、クエ・チーは、社会的・歴史的・個人的なレイヤーが交錯する中で、日常のスペクタクルやその中に潜む矛盾や謎に光を当てる映像・インスタレーション作品を発表してきた。
両者は2021年に、人生の同期するリズムに呼応するかたちで協働制作を始動。作品同士は対置され、重力や高さ、儚さといった身体的感覚を通じて空間に詩的な緊張をもたらし、観る者の感覚を揺さぶる。彼女たちの関心には、世代を超えて引き継がれる喪失の記憶や、さまざまな社会的文脈における女性の身体の物質性とイメージが含まれている。近年は、2024年の釜山ビエンナーレおよびアジア・アート・ビエンナーレで作品を発表。また2013年から、ハノイを拠点とするアーティスト主導のスペース「Nhà Sàn Collective(ニャー・サン・コレクティブ)」のキュレーション・ボード・メンバーとしても活動している。
助成:独立行政法人国際交流基金
日本橋・馬喰町エリア
エトワール海渡リビング館