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イベント

シンポジウム「新しいアートの国際協働に向けて:トランス・ビエンナーレの試み」

EVENTS

シンポジウム「新しいアートの国際協働に向けて:トランス・ビエンナーレの試み」

開催予定
種別

シンポジウム

会場

日本橋・馬喰町エリア

エトワール海渡リビング館

千代田区東神田1-15-15

日程

2025年10月18日(土)

14:00–17:00

料金

500円

グローバル化や情報テクノロジーの変容、そしてアーティストの実践活動の変化によって、国際芸術展のあり方が大きく変わりつつあります。

展覧会や芸術祭は、もはや時間や空間によって区切られたものではなく、時空を超えてシームレスにつながりつつあります。アーティストやキュレーションの協働の実践は、会期中だけではなく、会期が終わった後も会場の外で継続的に続くようになってきています。

今回のシンポジウムは、こうした状況の中で、アーティストやコレクティブ、展覧会や芸術祭の新しいコラボレーションのあり方を議論します。

 

登壇者

毛利嘉孝 (社会学者、東京藝術大学)
チェ・ビンナ(ヴェネチア・ビエンナーレ2026韓国館キュレーター/ハワイアン・トリエンナーレ2025ディレクター)
マリーア・スヴォンニ(コンストフレームヤンデット・ノルボッテン芸術監督)
メチュ・ラペル(キュレーター、テントハウス・アートコレクティブ )
チュオン・クエ・チー & グエン・フォン・リン(アーティスト、ニャ・サン・コレクティブ)
中村政人(東京ビエンナーレ2025総合プロデューサー)

アーティスト

マップ

JR総武線「馬喰町駅」4番出口より徒歩2分
都営新宿線「馬喰横山駅」A1出口より徒歩6分

  • エトワール海渡 商品部ビルとは別建物です。ご注意ください。

関連展示

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2025
  • インスタレーション

チュオン・クエ・チー/グエン・フォン・リン:BREATHE

ハノイを拠点に活動するチュオン・クエ・チーとグエン・フォン・リンは、2021年より共同制作を開始しました。チーは日常の風景や素材に宿るリズムや比率、空間性を繊細に読み解く作品を展開し、リンは映像や彫刻、インスタレーションを通して時間、身体、記憶の層を探ります。   今回は、アジア・アート・ビエンナーレ2024での《Sourceless Waters: White. Shadows.》、釜山ビエンナーレ2024での《Sourceless Waters: The Whip & The Knife》に続く、彼女たちの継続的な共同制作の一環としての作品を展示予定です(詳細近日公開)。   助成:国際交流基 特別協力:株式会社エトワール海渡
【開催予定】2025.10.17 - 12.14 / エトワール海渡リビング館
TOKYO
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2025
  • 写真
  • その他

写真プロジェクト「Tokyo Perspective」

7組の写真家、アーティストが東京を歩き、「まちの今」を写真作品化。そのオリジナルプリントを特設会場(エトワール海渡リビング館)で展示するほか、ネット上のデジタルマップでも公開し、人々が撮影地点に訪れて実際の風景に対峙できるプロジェクトです。さらに、セブン-イレブン各店舗のマルチコピー機で手軽にプリントできる仕組み用意し、新しい写真鑑賞やコレクションの楽しみ方を探ります。   協賛:富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社 特別協力:株式会社エトワール海渡     参加アーティストより 畠山直哉 《#3418》(シリーズ〈山手通り 2008年〉より)   「散歩」   電車に遅れまいと急いだり、スマホ片手にスーパーに向かったりしている時、僕たちは自分が「歩いている」ということを忘れて歩いている。周りのことも最小限しか見えていない。   いっぽうで、自分が「歩いている」ことが、よく意識される場合がある。脚が痛くなったとか道に迷ったとか、不測の原因によることが多いが、時にはそれに伴って「なんで歩いてるんだっけ?」とか「歩いてるって、どゆこと?」などという、普段とは異なる疑問が湧いてきたりもする。   「散歩」とはたんに歩くことではなく、そのような「歩いている」状態に、自らの身をあえて置くことである。散歩の魅力は「歩いている」状態がもたらす刻一刻の、知覚経験の豊富さの中にこそある。散歩のあいだ、目に映るものは分け隔てなく、しかも普段とは異なる説得力をもって迫ってくる。僕たちは現実空間の中を、現象学的と呼んでもよいくらいの濃密な知覚や身体意識と共に歩くのだ。まるで水の中を泳ぐようにして。 片山真理 《Tokyo / Ueno #001》2025年、発色現像方式印画© Mari Katayama, courtesy of Mari Katayama Studio and Galerie Suzanne Tarasieve, Paris   上野公園に立つと、進学して最初の授業で先生に投げかけられた問いと、そのときの緊張感を思い出します。「ここがどんな場所か知っていますか?」   人が生きる限り、歴史が作られていく。学生時代の私は道端の小石にさえ理由を探し求めるほど、あらゆる事象に説明を欲していました。だからなのか、いくら歩いても上野公園の道を覚えられることはなく、慣れないのです。   撮影には中判フィルムカメラを使っています。セルフポートレートを撮るときは長いレリ ーズでバルブ撮影を行いますが、シャッターを閉じるには手動でフィルムを巻き上げる必要があり、カメラのもとへ戻らなければなりません。その間に生じる時間差によって、私の身体は半透明に写ります。これはデジタル編集や多重露光の効果ではなく、物理的な撮影条件から生まれる現象です。透けた身体はコントロールできない景色や環境と一体化し、場所の模様として記録されます。   たまたま生まれた私たちが、人為的につくられた世界のなかで、どこまで調和を保てるのか、撮影のたびに考えます。人が作ったものは間違いに満ちています。   知らないこと、それから当然と思っていた価値観や基準を一度忘れ、改めて考え直すこと。上野公園での緊張は、私の撮影の原点なのかもしれません。 港 千尋 《red1》2025年(シリーズ〈URBAN RITUAL /Tokyo2025〉より)   〈URBAN RITUAL /Tokyo2025〉   東京は巨大都市(メガシティ)という形容が定着して久しい。「1000万都市」東京は1950年代にニューヨークを抜いて世界一となり、64年には2000万人を、85年に3000万人を突破、2020年にはついに4000万人を超えて世界一を突き進んでいるという。   行政区をまたいで延伸する都市圏は衛星画像からも確認できる。統計上の数字とはいえ驚くべきことだが、そこに住んでいる住民に「世界一」の実感があるのかどうかはわからない。人口密度が連続する集積地域(urban agglomeration)の内側は不均質な「地元」の積み重ねではないだろうか。   そんな「町」の一角を切り取りつなげて連続性のパターンを作ってみる。不均質な都市から取り出す地元文様の試み。今回は東京ビエンナーレが繰り広げられる神田川沿いの高低差を含んだ地形と、そこを通る動脈である電車をモチーフにした。庶民の遊び心が生んだ江戸小紋ではないけれど、メガシティならではの文様と言えるかもしれない。 中村政人   街を散歩していると、目に映し出される全ての風景を創りだしている制作者をイメージしてしまう。   「路上の石」があるとすると、アスファルトを敷き白線を引く道路工事者の行為の上に、誰かが運んできた石が路肩に息を潜めるようにじっとしている、と読み解く。ビル群のスキマに小さな一軒家を見ると、戦後の焼け野原に木造建築を建てた棟梁達の技術や考え方と、型枠にコンクリートを流し込んでビルを建てる建築のサスティナビリティを比較するように見てしまう。   私は、行為の連続性から創造される「部分と全体」の因果関係を、作品やプロジェクトを通して表現してきた。釘一本の意思と、東京という都市の意思。部分を創り出す創造力と、都市を構成する全体の創造力は、人間社会や地球環境にいかなる関係を築いているのか? その関係項に私がひとつの行為を加える事で、部分と全体の関係は、どのように変化するのか?   今回の写真制作においては、風景を構成する部分と全体の関係をひとつの表現体として捉えている。そしてその表現体を見つめる私の視線を黄色いボールに置き換え、風景全体に新たな部分として介入する試みである。   *室内から撮影した場所が3か所あります。その場所に入るためのルールは、ウェブサイトやマップに記載します。 SIDE CORE 《INVISIBLE PEOPLE》2025年(シリーズ〈underpass poem〉より)   〈underpass poem〉   昔、神田に住んでいました。よく散歩をしていましたが、気になるけれどあえて立ち止まって見ることがなかった場所があります。それが首都高上野1号線の高架下です。   首都高1号羽田線の歴史は古く、高架下のガードレールや柱に排気ガスのススが長年降り積もって、真っ黒になっています。最近の車はそんなに多くの排気ガスを排出しないので、今となってはただ汚い高架下に歴史を感じてしまいます。また場所によっては誰かが指で書いた落書きがちらほらと点在していて、渋滞時よくそれを眺めていました。   意味不明な落書きが多いのですが、よく見れば中央分離帯など人が歩かない場所にかかれているものもあり、意外な作為性があります。今回、久しぶりに神田を訪れて散歩をしたとき、私たちもススを指で拭って詩を描いてみました。一見簡単そうに見えるのですが降り積もったススが固まっていて、一本の線を引くことすら難しく、手も服も真っ黒になりました。触れてみて初めてわかる街の姿があるのだと思います。もし、場所を探しに散歩してもらえるのであれば、皆さんもぜび触ってみてください。 鈴木理策 《日本橋室町・東を望む》2025年   東京の写真は東京生まれの人が撮ったものが面白い、と学生の頃に聞いたことがある。変わってしまった風景に撮影者が思い出を投影するからだろうか。他所で生まれた人よりもシャッターを押す理由が多くあるということなのか。   写真の作業を「撮影」と「撮影の後で撮った写真を見ること」に分けて考えてみる。出来上がった写真を見る時、そこに撮った理由が表れていると、撮影者の思い出や感情を想像し、気持ちを重ねることができる。写真は、実際にシャッターを押した時に生まれるのではなく、もっと遡った時間、撮影者の過去の経験や記憶から生まれる場合も多い。複層的な時間をそなえていることは写真の魅力のひとつだと思う。   では撮られた写真からは何が生まれるか? そこから始めることはできないかと考えた。対象とカメラの距離が写真の種類を決定することは経験上心得ている。だが手法が導く効果の道すじから離れて、東京を撮影してみたいと考えた。 豊嶋康子 〈Backshift 2025〉シリーズより   〈Backshift 2025〉   東京ビエンナーレ2025の開催エリアには、過去に私が個展をした場所が複数含まれている。「犯人は現場に戻る」という俗説に沿うかのような、あるいは帰巣本能に促されるような気持ちで、しばらく行くことがなかったその場所を訪ねてみる。   かつて短期間だったが自分の作品を置いた記憶は鮮明で、まだその時のストレスは続いている。当時は作品を展示する空間になるべく、壁を塗り、照明に苦心した小さな経験の場だったが、今は建物や土地という不動産としての別の相がみえる。いつその場と関わったかということ、そして今回もその場を見にいったということ。この空間に個人的に関わる2点の事実を、時間軸を通して文章のように結びつけるために撮影という方法を選んだ。   建物は35年前と変わらずにある場合もあれば、すでに取り壊されて駐車場になっている場合もある。共通していたのは、当時の関係者は現在その住所にはいないということである。
【開催予定】2025.10.17 - 12.14 / エトワール海渡リビング館
TOKYO
BIENNALE
2025
  • インスタレーション
  • パフォーマンス
  • その他

テントハウス・アートコレクティブ & オーブンネットワーク:その家は見た目より広い

テントハウス・アートコレクティブは、オスロを拠点に2009年から活動するアーティスト集団です。コミュニティとの関わり、共同性、包摂性を焦点に、プロセス重視の実践を重ねています。また、かれらが展開するオーブンネットワークは北欧と東南アジアのコレクティブをつなぎ、共に学び・考え、長期的な関わりを育むことを目指しています。   今回、かれらは会期中に神田の築100年近い看板建築・海老原商店を拠点とし、建物の歴史に着想を得たプロジェクトを展開します。「トランスローカル」の概念のもと、参加メンバーと地域コミュニティが関わり合いながら新たな場をつくり、固定概念を揺さぶりつつ、現在の課題を変容させていきます。プロジェクトは以下の要素で構成されます。   RRR OFFICE Research(調査)、Record(記録)、Report(報告)を行う仮設のオフィス的空間。   STIM – Kizuna 歩くことや身体表現、体験的リサーチを通して形成される、場に応答するパフォーマンス(パフォーマーも募集)。   各種アクティベーション ワークショップや議論型プログラムなど。   これらを通じて、コレクティブと地域コミュニティの知識や経験をつなぎ合わせ、過去の伝統を尊重しつつ、未来を変えていくための動きの場を生み出すことを目指します。   後援:ノルウェー大使館 助成:OCA, Globus Forward 協力:海老原商店 *テントハウス・アートコレクティブ & オーブンネットワークは「看板建築プロジェクト」および「海外連携プロジェクト」参加作家です。
【開催予定】2025.10.17 - 12.14 / 海老原商店

写真プロジェクト「Tokyo Perspective」参加作品
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中村 政人

アーティスト/東京藝術大学美術学部教授
芸術未来研究場 アート×ビジネス領域長

1963年秋田県大館市生まれ。1993年「The Ginburart」(銀座)、1994年の「新宿少年アート」(歌舞伎町)でのゲリラ型ストリートアート展。秋葉原電気街を舞台に行なわれた国際ビデオアート展「秋葉原TV」(1999〜2000)、「ヒミング」(富山県氷見市)(2004〜2016年)、「ゼロダテ」(秋田県大館市)(2007〜2019年)など、地域コミュニティの新しい場をつくり出すアートプロジェクトを多数展開。1997年よりアート活動集団「コマンドN」を主宰。

2010年民設民営の文化施設「アーツ千代田 3331」(東京都千代田区)(2010〜2023年3月閉館)を創設。地域に開かれたアートセンターとして、約13年間運営を行う。2001年第49回ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館に出品。マクドナルド社のCIを使ったインスタレーション作品が世界的注目を集める。2020年より「東京ビエンナーレ」の総合ディレクターを務める。著書に『美術と教育』(1997)、写真集『明るい絶望』(2015)、『新しいページを開け!』(2017)、『アートプロジェクト文化資本論:3331から東京ビエンナーレへ』(2021)。平成22年度芸術選奨受賞。2018年日本建築学会文化賞受賞。

日本橋・馬喰町エリア

エトワール海渡リビング館

参考図版:シャザッド・マレキアン《HANDLE WITH CARE》2021年、公共空間での参加型パフォーマンス、オスロ
参考図版:シャフルザード・マレキアン、イーダ・ウヴァース《STIM》2023年、パフォーマンス 撮影:Jan Khur
参考図版:The OVEN Network「URGENCY Project」より バンコクのStudio150による「Radiant Blessing」展、413BETA、ソウル、2024年
参考図版:The OVEN Network「URGENCY Project」より バンコクのStudio150による「Radiant Blessing」展、413BETA、ソウル、2024年、Photo courtesy of Studio150 and The Oven
参考図版:The OVEN Network「URGENCY Project」より Photo courtesy of Studio150 and The Oven
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テントハウス・アートコレクティブ & オーブンネットワーク

Tenthaus Art Collective(テントハウス・アートコレクティブ)は、2009年よりさまざまな形で活動してきた、オスロを拠点とするアーティスト・コレクティブ。その実践はプロセスを重視し、コミュニティとの関わり、共同性、包摂性に焦点を当てたものである。

Tenthausが展開するThe OVEN Network(オーブン・ネットワーク)は、芸術的交流のための越境的なネットワーク。コラボレーションを基盤とし、北欧と東南アジアのコレクティブをつなぎ、共に学び、共に考え、長期的な関わりを育むことを目指している。彼らはアートやデザインを「成果物」としてではなく、「観察」「摩擦」「変容」のためのツールととらえる。

The OVEN Networkはアートプロジェクト、展覧会、リサーチ、レジデンス、ワークショップ、出版、集い、対話の瞬間などを通じて、周囲の状況に応じて形を変えながら展開される。彼らは共通の好奇心を持つ人々を歓迎し、違いを抱える場を共に保ちつつ、新たな前進のあり方を探求する。

 

メンバー:

イーダ・ウヴァース
身体、精神、社会における「移動性」を探求するムーブメント・アーティスト。パフォーマンスや視覚芸術、サイトスペシフィックな実践を通じて、参加型かつ学際的な作品を創出し、社会構造に問いを投げかけ、集団的な芸術体験へと誘う。@idauvaas

シャフルザード・マレキアン
パフォーマンス、映像、彫刻を横断する学際的なアーティスト。遊びを通じて公共空間や制度における権力、抵抗、ケアを探求。主な展覧会にSACOビエンナーレ(2025)、シンガポール美術館(2024)など。@shahrzad.malekian

Studio150
パット・ラッダパンとピヤコーン・チャイウェラプンデーチによって設立された、バンコクを拠点とするアート、デザイン、出版を横断するスタジオ。グラフィックデザインとキュレーション的視点を融合させ、印刷物から空間介入まで多様な形式で社会的な実践を展開。バンコク・アートブックフェア共同設立者。www.studio150.info

メチュ・ラペル
対話のための多孔質な構造をキュレーションし、アートやケア、そして新たに生まれる共有知を通じてコミュニティをつなげる手法により、様々なプロジェクトを実践している。

 

参加プロジェクト

神田・秋葉原エリア

海老原商店

参考図版:《Sourceless Waters: White. Shadows》2024年 アジアン・アート・ビエンナーレ2024(台中)での展示風景
Image courtesy of the National Taiwan Museum of Fine Arts.
参考図版:《Sourceless Waters: Whip & Knife》2024年 釜山ビエンナーレ2024での展示風景
Image courtesy of Busan Biennale Organizing Committee
参考図版:《A Mangrove apple tree》(ニャー・サン・コレクティブの「Bến project」)2022年
ドクメンタ15(カッセル)での展示風景、Stadtmuseum、2020年 Image courtesy of the artists
助成:独立行政法人国際交流基金
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撮影:Dat Vu & Jay Santiphap

チュオン・クエ・チー & グエン・フォン・リン

グエン・フオン・リン(1985年生)とチュオン・クエ・チー(1987年生)は、長年にわたり友情と協働を重ねてきたアーティスト。それぞれが異なる実践を通じて、現代における身体性、記憶、そして時間への問いを深めている。

フオン・リンの作品は、フォルムと時間の関係性を静謐に探求し、近年は身体の動作や痕跡を想起させる表現を通して、身体の持つ持続性や回復力への詩的なアプローチを展開している。一方、クエ・チーは、社会的・歴史的・個人的なレイヤーが交錯する中で、日常のスペクタクルやその中に潜む矛盾や謎に光を当てる映像・インスタレーション作品を発表してきた。

両者は2021年に、人生の同期するリズムに呼応するかたちで協働制作を始動。作品同士は対置され、重力や高さ、儚さといった身体的感覚を通じて空間に詩的な緊張をもたらし、観る者の感覚を揺さぶる。彼女たちの関心には、世代を超えて引き継がれる喪失の記憶や、さまざまな社会的文脈における女性の身体の物質性とイメージが含まれている。近年は、2024年の釜山ビエンナーレおよびアジア・アート・ビエンナーレで作品を発表。また2013年から、ハノイを拠点とするアーティスト主導のスペース「Nhà Sàn Collective(ニャー・サン・コレクティブ)」のキュレーション・ボード・メンバーとしても活動している。

助成:独立行政法人国際交流基金

日本橋・馬喰町エリア

エトワール海渡リビング館