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窪田 望:Inside Dementia
窪田望は経営者、AI 開発者、発明家、YouTuber、美術家など多領域で活動しています。美術家としては、AIのバイアス(偏向)やバグ、またインターネットが内包する構造(例えば公的な場におけるコンテンツの適切さ/不適切さの基準)に切り込みながら、本質的な未来のあり方を問いかける作品を手がけてきました。
今回は、自身が幼いころ祖母と過ごした記憶を起点に制作されたインスタレーションで参加します。窪田は祖母とこたつでみかんを食べながら、テレビで『笑点』を見る時間が好きだったといいます。本作ではその記憶を胸に、認知症の方へのインタビュー映像を上映したうえで、この症状において見られる「徘徊」(歩行・探索行動とも言われる)を疑似体験してもらう作品を制作しました。
「家に帰らなくちゃ」とは、介護施設で暮らす認知症(dementia)の方々がしばしば口にする言葉だといいます。その人が自らの言葉に従い外へ出て道に迷ってしまうとき、その行動は「徘徊」と呼ばれます。しかし実際は、自宅でもこの言葉が発せられることがあります。そこでの「家」とは「今・ここ」の家そのものではなく、記憶や感情の奥底にある別の場所かもしれません。私たちは町を「徘徊」しながら、何を感じるでしょうか。
特別協力:株式会社エトワール海渡
【開催期間中】2025.10.17 - 12.14 / エトワール海渡リビング館