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超分別ゴミ箱2023プロジェクト

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超分別ゴミ箱2023プロジェクト

エリア

S

水道橋・神保町エリア

H

東日本橋・馬喰町エリア

エトワール海渡 リビング館(2023年9月23日〜11月5日)、東京都立工芸高等学校(2023年8月まで)等

概要

このプロジェクトは、日常的なゴミの分別を極端に推し進めると、それはある種のアーカイブになり、情報になるという考え方から始まりました。発想した1995年頃は、燃える・燃えないの2種類のゴミ箱だけでしたが、現在はプラスチックの分別回収が大きな社会問題となっています。その背後には、私たち自身がプラスチックのことをあまりよく知らないという事実がありました。

 

おもな活動

大きく2つの活動をしています。ひとつは当初のアイデアであった「コンビニ型の超分別ゴミ箱」を実現し、実際の来場者にプラスチックの分別をしてもらいます。もうひとつの活動「ラブ=プラスチック・ワークショップ」では、プラスチックを知るために、実際に使用済みプラスチックを集め、それを記録した上で、分別したものをモニュメントにして行きます。同時に、それぞれに聴覚、嗅覚、視覚、空間意識を持ったアーティストの参加を通して、新しいプラスチックへの理解の方法を探っていきます。

 

  • プラスチックの素材製造、パッケージ、商品メーカー、流通、回収というサイクルに関わりのある企業各社に、パートナーとして加わって頂き、プラスチック問題を俯瞰して考えていきます。
  • 都立工芸高等学校での講演会を皮切りに、学生やPTAの方々とともに活動しています。
  • 8月には、6週間かけて、プラスチックを集め、その集積を目の当たりにするワークショップを実現しました。
  • 安西剛、上田麻希、生形三郎、ブルース・オズボーン、4人のアーティストを通して、異なった感覚や思考の方法を学んでいきます。
  • 会期中は、2023年のプラスチックの使用状態を記録し、それを最終的にモニュメント作品にしていきます。

 

ステートメント

自然という概念は、そもそもWild Nature(原始自然)からTamed Nature(人間によって飼いならされた自然)へ、そして都市のような完全なArtficial Nature(人工自然)へと広がって行ったという。現在問題になっているのは、この人工自然の中の生態系だ。そもそもWild Natureの中にはゴミという概念は無く、すべては無駄なく循環していた。そこにゴミとそうでないものの境界を作ったのは人間の側である。つまり、ゴミは人工自然の中にしか存在しないのであり、これは人間側の問題だ。

 

これまでは、自然がそのまま受容できないゴミは燃やして灰にした上で、自然に返してきたが、プラスチック等の人工物は燃やすと二酸化炭素や毒性を持ったガスが出てくる。これらの問題は、より便利で合理的な生活をしたいという人間側の欲求を技術によって実現してきた結果出てきたのだ。その技術にかかるコストは商品のコストだけではなく、環境負荷というコストになって返って来ている。この問題を根本的に解決するには、人間側の意識変革が必要だろう。

 

現在、ここで悪者にされているのは特にプラスチックである。プラスチックは20世紀が生んだ夢の素材だったのだが、21世紀には悪夢に転落してしまった。しかしながら、私たちは、プラスチックについてほとんど知らないできた。プラスチックが良い者なのか、悪い者なのかを判断することができないでいる。科学的な知識、あるいは統計データを見るだけで、知ったことになるのだろうか?

 

こうした問題意識を前提に、ゴミと呼ばれてきたプラスチックを、まずは集めて、その量を確認し、素材の特性について勉強し、集めたプラスチックの記録を作り、それを2023年のドキュメントとして、溶着させたモニュメント作品としていく、現在も進行中のプロジェクトである。

2023年9月  藤幡正樹

 

スケジュール

6月23日(金)藤幡正樹 特別講演会
7月9日(日)キックオフ・イベント開催(リモート+リアル)
7月〜8月オンライン・オフラインによる参加者交流
8月19日(土)、20日(日)ワークショップ開催@都立工芸高等学校
9月23日(土)〜11月5日(日)

東京ビエンナーレ2023での展示@エトワール海渡 リビング館
(千代田区東神田1-15-15)
会期中もワークショップは継続。展示観覧は11:00〜18:00
トーク+ディスカッション
①10月28日(土)17:00〜19:00
②11月2日(木)17:00〜19:00
③11月3日(金/祝)17:00〜19:00
詳細はこちら

ウェブサイト・SNS

Website Facebook    

アーティスト/メンバー

事務局:藤幡正樹、長峰宏治、乾義和

アーティスト:藤幡正樹、安西剛、上田麻希、生形三郎、ブルース・オズボーン

協力メンバー:東京都立工芸高等学校、学生とPTAのみなさん

パートナー企業:アサヒグループホールディングス株式会社、株式会社セブン&アイ・ホールディングス、東洋製罐グループホールディングス株式会社、大日本印刷株式会社、凸版印刷株式会社、株式会社ファミリーマート、株式会社ローソン

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